世界遺産でも有名な八幡製鉄所の街北九州市八幡
素敵な図書館が解体されようとしています。
村野藤吾の八幡市民会館・八幡図書館を残したい
北九州市立八幡市民会館(2016年3月閉館)
八幡駅から近いエリアには八幡市民会館(1958年)、八幡図書館(1955年)、ひびき信用金庫本店のみっとの村野の建築がありいずれも愛され、大切に使われてきました。
八幡は明治時代から製鉄の街として発展してきました。戦後の日本の復興にも重要な役割を担ってきたのです。戦争中には空襲を受けて、多くの犠牲者が出たそうです。その焼け野原になった八幡の街にこの図書館や市民会館ができて多くの市民は「ああこれで本当に平和になるんだ」と実感したそうです。
北九州市立八幡図書館(2016年3月閉館)この建物を設計した村野藤吾は日本を代表する建築家で、唐津で生まれ八幡て育ち、一時は八幡製鉄に勤務したとこともあるなど、八幡とはつながりの深い建築家です。
ところが、2012年北九州市立八幡病院の建て替え計画が決まり、隣接する敷地が選ばれたものの敷地面積が足りないため、この図書館が解体され病院の駐車場される事になりました。図書館は2016年3月13日で閉館し、機能は病院敷地内の建物に移される予定です。
市民会館も同時に閉館し、利活用について検討されました。その結果は2016年8月に発表される予定ですが、建物の特徴である音響の良さやホワイエの意匠などが活かされるかどうかはわかりません。
福岡ひびき信用金庫本店建築学会などの専門家、市民団体等いろいろなところから保存の要望書が市長に出されていますが公共施設の維持管理費が問題にされている今、むずかしい課題となっているようです。
世界遺産に指定された八幡製鉄本事務所などのある八幡の街で、その世界遺産と繋がる文化を持つ八幡の街の風景や歴史を記録しているのが建物です。この大切な建物を残す方法はないものでしょうか。